想われたくて…‐姉と私とあの人と‐
――ガチャッ


「ゴホッッ……只今戻りました〜ッホン、ケホ……」


ドキン!


「あら、木下君。遅くまでご苦労様〜。
風邪ひいたの?」


び、びっくりした〜!


「あー、はい……。そうみたいで……ゴホッンッッ!!」


「あらら、ひどそうね……早く帰りなさいね。」


「はい、今日はこれで上がらせてもらいます。」


「わかったわ。お疲れさま!」


「お疲れっす……ケホッ。」


木下サン?


大丈夫かな……。


「……お疲れ……様でしたぁー……」 


あたしは、聞こえないだろう程の声で、挨拶をした。 


めちゃくちゃ心配……


だけど……


やっぱりそれを


口に出しちゃったら……


まずい……事になりそうな気がして……


何も言えなくて


苦しかった。








そして、あたしも着替えを済まして会社を出た。







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