想われたくて…‐姉と私とあの人と‐
すごく綺麗にしてある部屋。


「木下サン、お布団は……」


あ!


リビングには、寝具は一切見当たらず、隣合わせになってる部屋のドアが少し開いていて


ベッドらしき物がチラッっと見えた。


あそこまで、連れて行かなきゃ!


「木下サン、ベッドまで行きましょ?」


「ゴホッゴホッ……」


木下サンは、咳き込みながら、頷いた。







――ベッドに横にならせたものの、木下サンはスーツのまま。


パジャマは……


見当たら無い。


「木下サン?パジャマは?」


あたしの質問に、うっすら目を開けて指を差した。


その先を見ると、ロータンス。


「んっ……一番下……」 


苦しそうに、教えてくれた。


あたしは、すぐにパジャマを取り出した。


「着替えてくださいね?あたし、リビング行ってますから……。」



「……」


返事は無いが、木下サンの手がパジャマをギュッっと掴んだ。


大丈夫だよね……。


取り敢えず、リビングに行こ……。






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