想われたくて…‐姉と私とあの人と‐
リビングに出たものの、恐縮してソファーに座らず、立ち尽くしていた。


途中、木下サンの咳き込みが聞こえた。




そろそろいいかな……?


5分くらい経っただろうか


あたしはそっと寝室のドアを開けた。


「木下サン……?着替え、終わりました?」




返事は無い。


……寝ちゃった?


あたしは、音を立てない様にして、ゆっくりと木下サンに近づいた。


「……ハァ……ハァ……」


苦しそうな寝息。


……ドキッ!


途中で疲れ果てちゃったのかな……?


布団を掛けず、パジャマを着終えている木下サン。


でも……


ボタン、止めて無いよぅ……


初めて見る木下サンの胸板は……


男らしく、厚い。


ドキドキしちゃうじゃん……。


でも、止めてあげなきゃ、ね。


あたしは、そっとパジャマのボタンに手を掛けた。


うぅ……


視線のやり場が……ッッ!




< 184 / 320 >

この作品をシェア

pagetop