想われたくて…‐姉と私とあの人と‐
あたしの目の前には



さっき止めたばかりの



パジャマのボタン。



頬には……



パジャマ越しの



熱を発した、



人肌の感触……。




ドクン……



ドクン……



ドクン………



ど、どおしよ……




「……星来……ケホケホッ……寒い……」



こ、こんな時に限って……


星来とか呼ばないでよ〜ッッ!!


あ!


寒いって、言ったよね!?



「木下サン!布団ッ!掛けてくださいッ!」



あたしは、ガバッっと起き上がり、木下サンに布団を被せた。


熱のせいか……


木下サンの、あたしの腕を掴んだ手はあっさりと外れてくれた……。



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