想われたくて…‐姉と私とあの人と‐
あたしは、足早に木下サンの部屋へと戻った。


そしてまた、そおっと鍵を開けて中へと入る。


ちゃんと寝てるかなぁ……。


買い物袋をリビングに置き、寝室のドアを少しだけ開けて中の様子を伺った。


すると……





「……ケホケホッ……木村ッゴホッ……!」


!!


起こしちゃった?


「木下サン……調子、どうですか?」


あたしはドアを堂々と開けて、木下サンに近づいた。


やっぱ、さっきの『星来』は、寝呆けてたせい……?


『木村』に、戻っちゃった……。


ちょっと寂しかったり……。


なんて、ね。





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