想われたくて…‐姉と私とあの人と‐
「……あ。お母さん?」



「星来!今ちょうど電話しようと思ってたのよ?

どうかしたの?
連絡無いから心配で……。」



やっぱり!



「ごめんなさい。

あ、あのねっ。

一人暮らししてる友達が、熱出しちゃって……
看病してるの……。」



会社の人とは、言えなかった……。



「あら!そうだったの……。
大丈夫なの?

ちゃんと看てあげなさいね?
あんた、明日お休みでしょう?」



「うん……。」



「じゃあ、ちゃんと付いててあげなさい。
一人じゃ、心細いでしょうに……。

明日帰ってくればいいから。」



はい!?


泊まれと!?


む、む、無理だよ!!



「いや、そんな……!
ちゃんと帰るよ!」



「何言ってるの!
ほったらかすんじゃ無いわよ!
もし、良くなったら帰って来なさい。

良くなったらよ?」



……男の人だって


言えば良かった……。



「……わかった。

じゃあね。」



あたしは、とりあえずそう返事をした。


そうでも言わないと、しつこいのがお母さん。


ご飯食べて、薬飲ませたら


帰ろ……。





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