想われたくて…‐姉と私とあの人と‐
―海Side―


目の前には、星来の手。


頭が、ボ―――ッっとして今は飯食える状態じゃ無ぇんだよなぁ……。


喉は、痛いし……。


俺は自分の手を、差し伸べられた星来の手に向かわせた。


でも……。


俺の手は、星来の手を通り越し……


星来の脇の下へ潜り込んだ。



そして、両手で抱える様にして、星来を引き寄せ


俺の胸元に、倒れ込ませた。


「キャッ……どどど、どうしたんですか!?」


ふふっ


驚いてやんの。


そして……


俺は、


星来を……


そっと抱き締めた。


「木下サン……?」


星来は、何が起きてるかわからない様子だ。






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