想われたくて…‐姉と私とあの人と‐
――それから。


二人でリビングへ行き、少し冷めた鍋焼うどんを食べ始めた。


…………

…………

…………


……き、気まずい雰囲気……。


あたしは、必死に話題を探した。



「……あっ、あのっ……うどん、だいぶ冷めちゃいましたね……。温め直した方が良かったですかねぇ……?」


明らかに動揺しながら言ったあたしに、


何故か木下サンは、“ふっ”っと笑った。


「全然いいよ。……ゴホッ……こんくらい冷めててくれた方が、食べやすくて助かる……ケホッケホッ……。」


なんか、悔しい。


動揺してるのは、あたしだけ?


木下サンは、余裕がある様に見える……。


「……そ、そうですか……。」


しょんぼり言ったあたしに、


またも“ふっ”っと笑う木下サン。


はぁ〜。


やっぱり悔しいな……。



「……コホッ……木村……ありがとな?」


うゎ〜///


熱で赤みを帯びた顔で、いつもの笑顔を見せる木下サンに……


胸が


キュンってした。



「い、いいえ〜!」


あたしも負けずに、笑顔で返して見せた。





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