想われたくて…‐姉と私とあの人と‐
な、なんかッ


とんでもない事になっちゃったよぉ!



ご飯を食べ終え、あたしは片付けをし始めた。



木下サンは……



テーブルに突っ伏している。



なんか……


木下サン、必死に普通にしてたみたいだけど……


大丈夫なのかなぁ……。


ちょっとは熱、下がったのかな?



「木下サン。体温計、ありますか?
熱、計ってみましょ?」


あたしは、テーブルに戻り、問い掛けた。


「……んあ〜、悪い……そこの引き出しん中……ゴホッゴホッ……」


やっぱ、辛そう。



あたしは、木下サンの指示した場所から体温計を見つけ、差し出した。


「はい、計ってみてくださいっ。」


木下サンは無言で体温計を受け取ると、脇の下へと運んだ。


…………

…………

……ピピッ♪


電子音が鳴ると、木下サンはそれを見もせず、あたしに渡してきた。




!!!!



「39.8℃!!」


こ、こんなに高かったの!?


リビングに連れ出して、あたし、サイテーかも!


「木下サン、薬買って来たんで、飲んで寝てください!」


「お、おぉ……。」


木下サンは、自分の大体の体温をわかって居たのか、動じずに返事をした。



あたしは急いで薬を出して、コップに水を汲んだ。


「はいっ!飲んでください!」


薬とコップを目の前に出すと、木下サンは素直にそれを飲んだ。


すぐ、効いてくれるといいな……。


それから、あたしは木下サンの体を支え、寝室へ連れてった。







「あ゙〜、わりぃ、先寝るわ……」


ベッドに横になったとたん、目を瞑りそう言った。


「はい……お休みなさい……。」



あたしはしっかりと木下サンの体に掛け布団を掛け、挨拶をした。



「……ゴホッ……ちゃんと、寝てけよ……?」



んもうっ。


そんな体で人の心配、しなくてイイのに……。



「はい。ソファー、借りますね。」



それだけ言うと、あたしはリビングに戻った。




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