想われたくて…‐姉と私とあの人と‐
「おっ、起きてたのかよッッ!!」



木下サンのその声に、あたしはついに目を開けた。



「ご……ごめ……なさ……」



あたしの涙は、


もう止まらない……。



木下サンは……



あたしから、顔を反らしてるけど……



真っ赤な顔をしてるのが


チラッっと見える……。



「や、謝んなくていいんだけど、さ。」


木下サンは、顔を反らしたまま、優しく言った。



「……っく……ふぇ……」



あたしはもう何も言えず、ひたすら涙を零していた。


すると……


木下サンが、こっちを向いた。






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