想われたくて…‐姉と私とあの人と‐
――それから 



軽いキスを、何度も繰り返し


顔を離した。




「……グスッ……ふふっ……熱……ズズッ……下がりました……ね……。」



あたしは、泣きながら微笑んで……言った。


薬、効いてくれたのかな……


良かった……。



「お前……泣くか……笑うか……どっちかにしろよ?」



へ??



こんな時に訳わからない事を言い出した木下サンを、ポカンとして眺めた。



「ん?……どっち?」



なおもまだ、聞いて来る木下サン。



あたしは……



涙を拭って



飛びっきりの笑顔で


こう答えた……。






「笑うッ!!」




だって……


辛い恋に出会ってしまった


あたし達だけど……



今だけは……



笑っていたい。



だよね?



木下サン。





そして、あたし達は……





深いキスをした。









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