想われたくて…‐姉と私とあの人と‐
お互いが


お互いを、求め合う。


神様は……



今のあたし達に……


微笑んでくれる?



今だけで


イイから、さ。







「――……っひゃあ!」 


深くて長いキスを終えたかと思ったら



あたしの体がフワッっと浮いた。


とっさに木下サンに、しがみ付いた。



「星来ヒメ……ベッドまで、お連れします。」



柄でも無い木下サンの台詞に……



「……プッ!……ふふっ!!」


吹いてしまった。



「バカ……笑うなよっ。

今だけは、俺のヒメなんだから……さ。」



その言葉を聞いて、さらにギュッっとしがみ付いた。


なんでかな……


普通なら、今だけなんて、辛いはずなのに……


辛くない……。


むしろ、“今”に幸せを感じるんだ。



今はとにかく、笑って居たいんだ。



きっと、木下サンも……


同じ気持ちなんだよね?



だから……


今だけって、簡単に口に出せる……。



うん。



今だけあなたは




あたしの王子様。




それから、熱くなった二人の体を溶かしに……



ベッドに入った。






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