想われたくて…‐姉と私とあの人と‐
「「かんぱーいッッ!!」」


みんなして定時であがり、やって来たのは近くの居酒屋さん。


「あ〜ッうめぇ〜!!仕事の後のビールはやっぱりサイコー♪」


安藤サンのジョッキは、すでに残りわずか。


「安藤……お前、完璧オヤジだな。」


安藤サンは、木下サンの突っ込みもお構い無しに、お通しをほうばっている。



「木村さんの初担当フィニッシュも、もうすぐね〜。」


そんな男性陣をよそに、あたしに話し掛けて来る、北川サン。 



「はい……もーとにかく新婦さんへのサプライズが成功するかどうか……。」


あたしは、苦手なビールをちびちび飲みながら答えた。


「あなたにとって、成功って何?」


あたしにとっての……


成功?


そりゃーやっぱり……


「新婦さんが、喜んでくれるかどうかですっ!」


あたしは素直な意見を述べた。



「そうね。課題の様に聞いちゃったけど、その答えは人それぞれ。

あなたが成功だと思えれば、成功なのよ。」



「はい……!」



う〜ん……


やっぱり素敵な上司だな♪



「木村さん……それは、恋も一緒!

自分の意見や、気持ちを大事にしなさいね♪」


ははっ……////


キツい助言を、どうも。


「はぁい……」



やる気の無い返事をしといた(笑)


北川サンてば……


あたしの恋愛事情、知ってるくせにぃ〜。





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