想われたくて…‐姉と私とあの人と‐
――次の日。


「ハァッ……ハァッ……」



今あたしは電車を降りて、会社までの道のりを、全速力で走っている。


やっばー!!


遅刻するっ!!




夕べ寝れなかったせいで、起きたのはギリギリの時間だった。






「ハァッ……ハァッ……ギリギリセーフ?」



会社の前に付き、時計に目をやった。



「ふぅ―――。」



一呼吸吐いて、ドアを開けた。



「おはようございますっ!」


やっぱりもうみんな揃ってる。


「お!間に合ったね〜。」


山口サンが、ニヤニヤしながら言った。


「夕べ、緊張して寝れなくて……!」



あたしがそう言うと……



みんなの口から、笑い声。


な、なんだよぅ。


そんな、笑わなくても……。


すると、北川サンが……


「ちょうどみんなで、そう言ってたのよ。
緊張のし過ぎで、寝れなかったんじゃ無い〜って。」


……読まれてた訳ね。


「き、着替えて来ま〜す。」


あたしはわざと拗ねたようにして、更衣室に入った。




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