想われたくて…‐姉と私とあの人と‐
『皆様、ご起立ください。』


パイプオルガンの音と共に、女性の声。


いよいよだ――。




新郎の神崎様は、すでに神父様の前で待機している。



扉が開き


この神聖な場所に


ゆっくりと入場する新婦とそのお父様。


すごく素敵。


仕事というのを忘れて、感動が止まらなくなる。




やばい。


すでに涙が出そうだよ……。




二人は新郎の所まで行くと、組んだ腕を離し


今度は新郎新婦が並ぶ。



「ミナサン、ゴチャクセキクダサイ。」



神父様の声で、皆一斉に席に着く。









「チカイノコトバ。」


お式はあっという間に終盤に入り、誓い合う時が来た。





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