想われたくて…‐姉と私とあの人と‐
「とにかくッッ。」
そう言いながら木下サンは、あたしの体をパッと離した。
「ほら、赤外線♪」
「は、はい!」
携帯を出してきた木下サンに合わせて、あたしも携帯を近付けた。
「――よしッ!じゃぁー…戻るか。」
「はい……。」
お互い登録を済まし、みんなの所に戻る事にした。
気付けば、あたしの目は元通り。
変なの……。
木下サンの事で泣いて……
木下サンのおかげで泣き止んだ。
「先、行ってるぞぉ。」
木下サンが先にみんなの所に戻り、あたしは木下サンの携帯番号を見つめた。
よくわかんないけど……。
なんだか、あたしの気持ちはバレバレみたい ///
“木下 海”
携帯のその名前を見ながら、自然と頬が緩む。
とにかく、木下サンの口から聞かないと何も真実はわからないもんね……。
「よしッ!」
――パタンッ
携帯を閉じ、あたしもみんなの元へ向かった。
その後、二次会って事でカラオケへ行き、2時間騒いで解散した。
家に着いた時は、すでに深夜2時。
あたしは着替えると、すぐに寝た。