想われたくて…‐姉と私とあの人と‐
そして――



神崎様が、志保様の手をそっと離し……


スタッフから、マイクを受け取る。





『志保……、誕生日おめでとう。
昨日、何のお祝いもしなくて怒ったかもしれないけど……

それは、この為だったんだ。

その、箱の前に立って?』


志保様は唖然とした状態で言われた通り、箱の前に立った。



スタッフの手で、箱が持ち上げられると……



大きなケーキが登場した。



それを見た志保様は、口元に手をあて、でパッっと神崎様を見た。 


その目からは……



涙が覗いてる。



神崎様は、にっこり笑って、深く頷いた。



そして……



手紙を読み始める……。




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