想われたくて…‐姉と私とあの人と‐
――披露宴は、お開きになり


あたし達は、個室へと戻った。






「最高に良かったわね……。」



北川サンは、イスに腰を降ろして呟いた。


もちろん、北川サンも感動のあまり、涙を流したのだ。



「ハイ!あたし、益々この仕事好きになっちゃいました!」


あたしは、心底思った事を言った。



そして、神崎様の読んだ手紙によって……



気持ちが、揺れた。



あの手紙を聞いて……


“いつか誰かとこうなりたい――”


じゃなくて……



やっぱり、木下サンと居たいって……。


木下サンに想われたい……って思ってしまったんだ。



欲張らないって決めたのに。



今の関係で居ようって、決心したのに……。



あんな大きな愛を目の前で見たら……


揺らいじゃうよ。






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