想われたくて…‐姉と私とあの人と‐
――パサッ



!!!!



それは……



淡いピンク色の花を寄せ集めた……



ブーケ。



ピンク色のドレスを着た時に手にしていたブーケ。




「え!?あ、あの……っ!」

あたしはどうして良いのかわからなくて、思わず叫んだ。



「受け取ってください!木村さんに……幸せのおすそ分けっ!」



えぇ!?


確かにブーケ、貰ってみたいって思ったけど……



お客様からだなんて、そんなっ!



「う、う、受け取れませんよッッ!」



あたしは両手を振って拒んだ。



「そんな事言わずに……貰ってください。」


一瞬、志保様が悲しそうな顔をした。


「あ、あたしなんかが、良いんですか?」


あたしが申し訳なさを出してそう聞くと……



「ハイ!」


志保様は大きく頷いて、笑顔を戻した。



「ありがとうございます……。」



断る事なんて出来なくて、ブーケを受け取った。



あたしなんて……


知り合ったばかりの、単なるプランナーなのに……。


良いのかなぁ。




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