想われたくて…‐姉と私とあの人と‐
「あたしの誕生日を祝ってくれる企画のこと、彼に聞きました。

木村さんが、ホントに熱心に考えてくれたって。

本当にありがとうございます!」



志保様は、そう言って頭を下げた。



「い、いえ!そんな!

ただ、志保様が喜んでくれればなって……

志保様、頭上げてくださいっ!」



あたしがあたふたしながらそう言うと……



「木村さんは、そんな所が素敵なんです。

心からお客さんの幸せを願ってくれる……。

会ったばかりの人間にも、精一杯になってくれる。」


そ、そんな事言われたら……


また、涙が……っ。



「あたし……知ってるよ?木村さんが想う人。」



へ!?


出かけた涙が引っ込んだ。


し、志保さま?


今、何て……?



あたしが黙って目を丸くしてると、


志保様は話し出した。




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