想われたくて…‐姉と私とあの人と‐
あたしは、涙を拭いて、志保様を真っ直ぐ見た。



「志保様、本当にありがとうございます!

あたし、心のままにいってみます!

それでダメなら、それが運命。

ですよね?」



あたしが強くそう言うと……


「ガンバレ。」


志保様は優しくそう言って、笑った。



「北川サン!」


あたしは後ろでずっと黙って見守って居てくれた北川サンに、振り向いた。


すると……


――チャリ



「さっさと帰るわよっ!」


車のキーを見せ、ウィンクをした。



「へへっ♪」



何でもお見通しの、北川サン。



かなわないなぁ。




「神崎様、志保様、今日は、本当におめでとうございましたっ。

お幸せに!」



あたしは二人に向かって、深々とお辞儀をした。



「こちらこそ!
木村さん、いってらっしゃい♪」



志保様まで、ウィンクをして見せた。



「頑張って幸せを掴んでください。
俺も、応援してますから!
また、お店に遊びに行きます。その時は、報告、待ってますよ。」


神崎様までウィンク……。


へへっ。



皆さん、本当にありがとう!!





さぁ、行こう。



あたしの運命を動かしに。


どうか――



あたし達三人が幸せになれる運命が……


始まりますように――。




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