想われたくて…‐姉と私とあの人と‐
「道が空いてて、良かったわ。

じゃあ、木村さん。

辛い結果になったら、胸貸すわ!

おもいっきりぶつかってきなさい?」


ふふっ。


どんな時も、厳しいフリして優しい北川サン。



「ありがとうございました!!お疲れさまです!」





―――バタンッ




あたしは、一礼してから、家に駆け込んだ。









そして――――



「――ふぅ。

……頑張ってね……!


……さぁて、初舞台を大成功に収めた部下に、ご褒美でも与えますか……!」




そんな北川サンの独り言なんて、あたしは全く知るよしも無い。











――バタン!


「ただいま!」



家に上がったとたん、階段をバタバタと登った。



―――コンコン!


――カチャ!


お姉ちゃんの部屋をノックし、返事を待たずにドアを開けた。




「お姉ちゃんっ!!」





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