想われたくて…‐姉と私とあの人と‐

「これ。俺の愛車♪」


駐車場に着いて、木下サンが指差した車は、真っ黒の大きな4WD。


車までカッコイイ…。


「乗って〜。」


「ハイ。」


乗るって、やっぱ助手席だよね? 


ドキドキしながら助手席に乗り込んだ。


芳香剤のいい香り。

その香りがあたしを余計にドキドキさせる。


エンジンがかかると、有名な洋楽。


すべてが素敵。

あたしの気持ちが、そう思わせてるだけなのかな?


「飯、パスタと和食、どっちがいい?」


車を駐車場から出しながら聞かれる。


「ん〜……。和食がいいです!」


良かったのかな?

そう思って木下サンの表情を伺うと……。


「お!俺、和食が一番好き〜!」

そう言った木下サンは満面の笑み。


はぅっ――ッッ!


胸が……

キュンキュンしてますが!! 


「あ、あたしもです!良かった…。」



「じゃあ、行きますか!」

「はい!」


てか、今日何か話しがあるんだよね?

なんの話しだろ……。

あたしがあの時泣いちゃった事に関係あるかもって言ってたよね。


ッ!

デートみたいとかって浮かれてる場合じゃないじゃん!


やば!

ビビってきたぁ!




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