想われたくて…‐姉と私とあの人と‐
「すいませ〜ん!」


志保様だ。


「あ、ハイ!」


あたしは、急いで立ち上がり、神崎様と、志保様の席へ向かう。


「実際に、見てみたい場所、ありましたか?」


「ココとココ!行ってみたいです〜!!」


志保様が示した資料は、近場と少し離れた場所の2件だった。

両方、あたしが見学行った事の無い式場。


「わかりました〜。
では、お二人のご都合の良い時に参りましょう!」


「そうですね〜……ってか、今日でも平気ですか!?」


そのままその日に見学に行きたいと言われるのは、よくあるパターンらしい……。


「では、問い合わせてみますね。」


あたしは、笑顔で答えた。

「すみません、我儘を……。」

神崎様が、申し訳なさそうに言ってきた。


「気になさらないでください!
すぐに見たい気持ち、わかります!」


あたしは、素直な気持ちを伝えた。


「では、少々お待ちくださいね。」


あたしは、事務所へ行き、2ヵ所の式場に電話をした。






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