想われたくて…‐姉と私とあの人と‐
あたしの涙は止まらない。


「俺……、お前の事……好きだわ……。

つーか、ホントは……」


木下サンは、濁しながらも、まだ何かを言おうとしている。



あたしを……好き?



うそだぁ……


あたしの目からは、更に涙が溢れる。



「ホントはさ!お前が面接に来た時、一目惚れしたんだッ――!

お前を見た瞬間、頭ん中で、太鼓を打つような…何か低くてでかい音が鳴り響くんだ。

俺、そんなん初めてで……どうしたらいいか、わかんなかったよ……」




う……そ……


あたしより先に、


あたしと同じ感覚、


感じてたの……?


あたしはもう、顔をグシャグシャにして泣いていた。




思わぬ木下サンの告白に……


衝動をかられて……


突然の……キス


突然の……告白


すべてが信じられ無かった。






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