想われたくて…‐姉と私とあの人と‐
遭遇
あたしはその夜、すぐに部屋に閉じこもった。

布団を全身にかぶせ枕に顔を押しあてながら、声を殺して泣いた。


隣の部屋に聞こえ無いように……


ごめんなさい

木下サン、

お姉ちゃん。


ありがとう

木下サン。


あたしは、どうすれば良い?


あなたに想われたくて仕方なかった


それが現実になった


でも……


喜べるワケ、無いじゃない。


お姉ちゃんも、たくさん苦しんでる。


それでもお姉ちゃんは、笑ってる。


絶対に傷つけたくないよ。




みんなが幸せになれれば良いのにな……



そう願いながら、あたしは泣き疲れて寝た。









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