ぼく。
ご飯を食べ終わってパパが

「さて、ボチボチ帰るか」

と言った

ぼくは嬉しくなったけど

ホントに今度こそお家に帰れるのか心配だった

だから今度は寝ない様に頑張った

車で沢山走った

しばらくすると知らない街で
車は停まった

「ショウくん、またね」

と言ってお姉さんが車から降りた

ぼくは安心してきた

やっとママに会える!

と嬉しくなった

でもその喜びは一瞬で消えた

「ママにはずっとパパと二人で居たって言うんだぞ!お姉さんの事は絶対に言うなよ!」

とパパが急に怖い顔になって言って来たからだ

ぼくはただうなずくだけだった

早くママに会いたい

でもママに嘘をつかなくちゃいけなくなった

ぼくはどうしたらいいんだろう

嘘をつくとママは怒る

でも

ママを一人にしてパパとお姉さんと遊んだなんて話したら

ママはもっと怒るかも知れない

パパも怖い顔して言ってた

ママに嘘をつくのはイヤだけど

ママに怒られたくない

もうママとパパのケンカも見たくない

だからぼくはママに嘘をつく事を決めた
< 14 / 49 >

この作品をシェア

pagetop