ぼく。
ホントのコト
パパとお泊まりした次の日

保育園から帰る車の中で

ずっと元気のなかったママがぼくに聞いた

「お泊まりした時、お姉さん居たでしょ?」

ママの顔が今までで一番怖い顔になっていた

ぼくは怖くて

「お姉さん…居た」

と言って泣き出してしまった

「ショウ、ホントの事を話してくれてありがとう!でもショウは何も悪くない、だから泣かなくていいのよ」

とママは運転しながら左手でぼくの手を握りしめた

でもママの手は震えてた

「…パパに言うの?」

と聞くと

「当たり前でしょ!ママは何よりパパがショウに嘘をつかせたのが許せないの!」

そう言ってお家へ向かった

パパはなかなか帰って来なかった

ぼくは眠る時間だった

「何も心配しないで、ゆっくり眠りなさい」

ママがそう言って優しく頭を撫でてくれた

安心したぼくは眠った


朝になって周りを見渡した

パパは居ない

腫れた目をしたママが

「もうパパは帰って来ないよ」

と笑顔でぼくに言った

無理矢理作ってる笑顔に見えた

これでママとパパのケンカを見なくて良くなった

でも赤ちゃんはどうなるの?

ぼくはどうしたらいいの?
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