ぼく。
ぼくは全部忘れたい
ぼくはずっと泣いていた

ただただ泣いていた

どれだけ泣いただろう

すると玄関が開く音がした

ぼくは玄関に走った

ママだ!

ぼくはママに飛び付いた

「ママ…ママ…」

泣きながらずっとママから離れなかった

ママも泣きながら

「ショウ、本当にごめんね。今お巡りさんと話して来て、もうショウを傷つけないって約束して来たから。だからもう大丈夫だよ…」

そう話してくれた

ぼくはママにされた事を忘れようと決めた

誰に何を聞かれても何も答えない

きっと今度お巡りさんが来たら

次はママと本当のお別れになっちゃう

そんな気がしたから

その日はママとパパと3人でご飯を食べに行ったり

ずっと欲しかったオモチャを買ってもらった

だから今日あった事は考えないでいられた

夜になって、いつもの様にママと手を繋いで一緒に眠った

……………………………………

「ショウ!ショウ!起きろ」

パパに起こされた

「ママがお腹痛いって言うから病院に連れてくよ!ショウはバァバと待ってて!」
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