ぼく。
もうすぐ産まれる
病院に着いた

「ショウ、ちゃんとパパのお話聞いてオリコウにしてね。」

ママは時々苦しそうにしながら何度もそう言った

赤ちゃんに会えるのは楽しみだったけど

ママはとても苦しそう…

時間が経てば経つほど

だんだん苦しそうになって行く

「パパ…腰さすって…」

ママが泣いているかの様な声でパパにお願いしていた

パパは黙ってママの腰をずっとさすった

「もう先生呼んだ方がいいんじゃないか?」

パパがママに言った

でもママは

「まだ…まだよ…」

と苦しそうにしてる

またパパはママの腰をさすり始めた

ぼくは黙ってずっと見ているだけだった

こんな苦しそうなママ見た事ないよ

ぼくはどうしたらいいんだろう…

しばらくするとママが

「パパ、先生呼んで…」

と言った

パパは慌てて先生を呼んだ

そしてママは車イスに乗って運ばれて行った

ママがぼくを見た

でもママは何も言わなかった

ただ苦しそうだった

ぼくも何も言えなかった

ママは車イスに乗って違う部屋に行った

ぼくとパパは病院の廊下で待った

ぼくは赤ちゃんに会いたいけどママが心配な気持ちでいっぱいだった
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