ぼく。
寂しい
パパの長いお休みが始まって少しした頃

ママが金曜日と土曜日の夜もお仕事に行く様になった

ぼくは寂しかった

パパが居てもママは居ない

せっかくのお休みもママは寝てる事が多くなった

そんな日がずっと続いた

クリスマスにはサンタさんがプレゼントをくれた

お正月にはみんながお年玉をくれた

でもぼくは寂しくて仕方なかった

保育園の短い冬休みが終わった

またぼくとママはパパを置いて毎日保育園へ出掛けた

相変わらず金曜日と土曜日の夜はママ居ない

……………………………………
ぼくには好き嫌いがない

しいたけは苦手だけど、ママに「頑張って」と言われると頑張って食べる

そうするとママはニッコリ笑ってぼくの頭をなでて、こう言うんだ

「ショウは偉いね~、お利口だね!大好きだよ!」

ママが喜ぶ

ママが笑顔になる

ぼくも嬉しかった

だから毎日沢山色んなものを食べるんだけど…

「ねぇママ、お腹が痛いよ…」

ぼくは夜中にお腹が痛くて目が覚めた

そう言ってママを起こした

お布団でゴロンとしてたのに

夕飯に食べたものがお口から沢山出てきた

ママは飛び起きた

いつもより沢山ぼくを心配して沢山抱っこしてくれた

そして朝になって病院へ行った

「いちょうえん?」

初めて聞いた病気のお名前だった

病院でお薬をもらって飲んだけど

何を食べてもお腹が痛くて

とても辛くて悲しかった

でもママがすごく優しかった

沢山抱っこしてくれた

だからぼくは嬉しくなった
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