彼と私
「うわー、あいつら速いな」
そんな事を言いながら
本当はもっと速く走れるのに
私に気を遣って少し
遅めで走ってくれている
そんな木村くんの腰に手を
巻きつけながら,「ありがとう」
って気持ちを込めて少しだけ
腕に力をいれる
「あ、やべーかも、ちょい段差あるから気を付けて」
「え?」上手く聞き取れず聞き返した瞬間″ガタッ″と体が揺れた
「!?」
思わず木村くんに思いっきり
抱きついてしまった。
「わり、大丈夫?」
「だ、大丈夫!」
少しビックリしたけど。
そして気づくと私は
木村くんにぴったりと
くっついてるままだった
木村くんの背中には頭が
くっついていた私達の
間に隙間がないくらいに。