ヴァンパイアストーリー
今だ耳鳴りのようなものが残る中で話は続く。

「家や家具などはこちらで全部しておくから、楽しみにしておくことだな」

そしてお父様はハッハッハッと愉快そうに笑うのだった。

何がそんなにおかしいのだろうか?

カイトを見るとまた赤くなってるし。

もう、どうしたの二人とも!

「むう・・・」

「なんだ、不満そうだなアスカ」

「いえ、なんだもありません」

「アスカ。その顔で言われても」

カイトの言うとおりだろう。

今の私の顔は、

目はお父様を軽く睨んでおり

口はとんがっており

頬は膨らんでいる。

誰が見てもそう思うだろう。

「もう暗くなる。カイトも家に帰りなさい。明日からアスカをよろしく頼むぞ」

「はい!じゃあな、アスカ」

「うん、バイバイ」

カイトは最後に私に手を振ってから扉を閉めて出て行った。

明日から日本だ。

きちんと気を引き締めていかないと・・・。

「明日からがんばれよ、アスカ」

「期待に答えられるかわかりませんが頑張ります」

そう言って私が軽く礼をするとまたお父様はハッハッハと笑うのだった。

はあ、期待にこたえられなさそうなんですけど・・・。
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