ヴァンパイアストーリー
男の人は特にそうだ。

ほとんどの人が一人称は『俺』のはずなのにお父様の前になるとみんな『僕』とか『我』とかいう硬い一人称になる。

女の人は『私』がほとんどなので変えることはない。

「入れ」

「失礼します」

「し、失礼します・・・」

カイトは緊張しすぎてカチコチになっている。

私は小声で・・・。

「カイトもっとビシッとしてよ!」

と言うが効果はなし。

なんか逆にカチコチになったような・・・?

私とカイトが部屋に入るとお父様が椅子に座ってこちらを見ていた。

「その顔は、カイトから聞いたか」

「はい。全部聞きました」

「そうか・・・」

「お父様に質問なのですがよろしいでしょうか」

「何だ?」

私はカイトの顔をチラとみてお父様の方に顔を向ける。

「どうして私一人じゃ駄目なんでしょうか」

「うすうす気づいているんではないか?」

「大体は・・・」

「ならば、お前の予想道理だろう」

私が予想していること・・・それは。
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