お願いだから
唇を塞いだまま手をずらして、那智の耳を指先でほんの少しだけ触れてみると
『…あっ…ふ……///』
那智は予想以上に可愛い声を上げて体をビクッとくねらせた。
『ほんの少し触れただけなのに…』
そう私が耳元で囁くと
やだやだと顔を真っ赤にしながら耳を押さえて、うつむきながら首を振る。
どこからか込み上げてくるこのどうしようもない愛しさを、どうしよう。
私は那智を挟みながら両手を壁につき、自分の体を支えた。
ふとさっき離した唇をまた那智の唇へ近づけてみる。