夜香花
「何だお前。まだいたのか」
鬱陶しそうに言う真砂に、羽月はちょっと気圧されたように、目を伏せた。
が、すぐに顔を上げると、深成に向き直る。
「頭領、やっぱり狙われてるんじゃないですか。やはり、護衛に付かせていただきます!」
そう叫び、羽月は腰に差していた刀を抜いた。
ひく、と相変わらず喉を引き攣らせながら、深成は羽月を睨む。
真砂は二人を見ながら、少し考えた。
そして、壁際に下がると、どさ、と腰を下ろす。
「いいだろう。羽月、そんなに護衛に付きたいなら、まずそいつを倒してみな」
え、と羽月だけでなく、深成も目を見開いて真砂を見た。
「こ、この卑怯者……っ」
ぼろぼろと、また深成の目から涙がこぼれる。
真砂は少し笑うと、ふんと鼻を鳴らした。
「そんだけ元気に動いておいて、まだわからんのか。あれには、そんな強い毒性はない。ま、しばらくは、ちょいときついかもしれんがな」
また深成は、え、と呟いて、きょとんと真砂を見た。
鬱陶しそうに言う真砂に、羽月はちょっと気圧されたように、目を伏せた。
が、すぐに顔を上げると、深成に向き直る。
「頭領、やっぱり狙われてるんじゃないですか。やはり、護衛に付かせていただきます!」
そう叫び、羽月は腰に差していた刀を抜いた。
ひく、と相変わらず喉を引き攣らせながら、深成は羽月を睨む。
真砂は二人を見ながら、少し考えた。
そして、壁際に下がると、どさ、と腰を下ろす。
「いいだろう。羽月、そんなに護衛に付きたいなら、まずそいつを倒してみな」
え、と羽月だけでなく、深成も目を見開いて真砂を見た。
「こ、この卑怯者……っ」
ぼろぼろと、また深成の目から涙がこぼれる。
真砂は少し笑うと、ふんと鼻を鳴らした。
「そんだけ元気に動いておいて、まだわからんのか。あれには、そんな強い毒性はない。ま、しばらくは、ちょいときついかもしれんがな」
また深成は、え、と呟いて、きょとんと真砂を見た。