夜香花
第十五章
「で、懐剣はどこにやったんだ」
家に帰るなり、真砂に聞かれ、深成はちょい、と上を指差した。
真砂が見上げても、指差すほうには梁しかない。
「あれはわらわの宝だから、大事に隠してあるんだ」
そう言って、とん、と床を蹴る。
同時に、真砂が入り口を見た。
そこに、ふ、と小さな影が浮かび上がる。
「頭領。ちょっと気になる情報を掴みました」
捨吉が、辺りを窺いながら真砂に声をかける。
「例のことに関することか?」
捨吉が、一人で真砂のところに来るなど珍しい。
よっぽどのことを掴んだのか、はたまた大したことでもないことか。
どちらにしろ、捨吉的には、折角以前に真砂直々に命じられたことを満足にこなせなかったことへの、拘りがあるのだろう。
あれからも独自に調べを続けていたらしい。
「……入れ」
言われて捨吉は、一歩家に足を踏み入れた。
が、少し怪訝な表情になって、部屋の中を見渡す。
ほぅ、と少し、真砂は眼を細めて捨吉を見た。
どうやら真砂以外の気配を感じたらしい。
家に帰るなり、真砂に聞かれ、深成はちょい、と上を指差した。
真砂が見上げても、指差すほうには梁しかない。
「あれはわらわの宝だから、大事に隠してあるんだ」
そう言って、とん、と床を蹴る。
同時に、真砂が入り口を見た。
そこに、ふ、と小さな影が浮かび上がる。
「頭領。ちょっと気になる情報を掴みました」
捨吉が、辺りを窺いながら真砂に声をかける。
「例のことに関することか?」
捨吉が、一人で真砂のところに来るなど珍しい。
よっぽどのことを掴んだのか、はたまた大したことでもないことか。
どちらにしろ、捨吉的には、折角以前に真砂直々に命じられたことを満足にこなせなかったことへの、拘りがあるのだろう。
あれからも独自に調べを続けていたらしい。
「……入れ」
言われて捨吉は、一歩家に足を踏み入れた。
が、少し怪訝な表情になって、部屋の中を見渡す。
ほぅ、と少し、真砂は眼を細めて捨吉を見た。
どうやら真砂以外の気配を感じたらしい。