夜香花
「ふぃ。やっぱり捕りたての鮎は美味しいねぇ」
火にあたりながら、深成が捕った鮎を頬張りながら言う。
「自分で捕ったら、また格別。努力の賜物だね」
あの後、コツを掴んだのか、深成は合計三匹の鮎を手に入れた。
そしてそれを、今現在満面の笑みで平らげている最中である。
「鮭に拘りはなかったってことか」
あんなに食いたがっていたくせに、と言う真砂に、深成は少し口を尖らせた。
「だって、いないんじゃしょうがないじゃん。鮎も美味しいから、いいんだよっ」
もぐもぐと魚を咀嚼しながら、深成はちらりと真砂を見た。
すぐ横に、刀と苦無袋を置いている。
「ねぇ。何で今日は、そんなに警戒してるの」
真砂の視線が上がり、深成を見る。
深成は、ちょい、と苦無を指差した。
「刀はいっつも持ってるけどさ。苦無まで持ってくるなんて珍しいじゃん」
「俺からしたら、丸腰でうろちょろするお前のほうが信じられんがな」
「だってわらわは、真砂と一緒だもん」
「何だよ、それは」
「真砂の傍にいれば、安全でしょ。強いもん」
火にあたりながら、深成が捕った鮎を頬張りながら言う。
「自分で捕ったら、また格別。努力の賜物だね」
あの後、コツを掴んだのか、深成は合計三匹の鮎を手に入れた。
そしてそれを、今現在満面の笑みで平らげている最中である。
「鮭に拘りはなかったってことか」
あんなに食いたがっていたくせに、と言う真砂に、深成は少し口を尖らせた。
「だって、いないんじゃしょうがないじゃん。鮎も美味しいから、いいんだよっ」
もぐもぐと魚を咀嚼しながら、深成はちらりと真砂を見た。
すぐ横に、刀と苦無袋を置いている。
「ねぇ。何で今日は、そんなに警戒してるの」
真砂の視線が上がり、深成を見る。
深成は、ちょい、と苦無を指差した。
「刀はいっつも持ってるけどさ。苦無まで持ってくるなんて珍しいじゃん」
「俺からしたら、丸腰でうろちょろするお前のほうが信じられんがな」
「だってわらわは、真砂と一緒だもん」
「何だよ、それは」
「真砂の傍にいれば、安全でしょ。強いもん」