夜香花
「ま、俺にもよくわからんけどな。何でわざわざ消毒なんてしたんだか」
「でも、お陰で助かった。ありがとう」
ぺこりと深成がお辞儀する。
何となく居心地の悪さを感じ、真砂は視線を逸らせた。
「俺の行動も謎だが、お前の行動も謎だぜ」
話を逸らすように言う。
「そりゃ、あのときお前は酷い目に遭っただろうが、それこそ今朝なんて、仕返しするには絶好の機会じゃないか。何故攻撃しなかったんだ?」
「……」
「先にも言ったが、お前が本気で向かってきたら、俺だってただじゃ済まないぜ。現にお前は、二度も俺に傷をつけている。一度目は、結構な傷だったぜ」
そう言って、腕をまくる。
ほとんどわからないが、そこには良く見ると、うっすらと一本の傷跡が残っていた。
「一度目は、純粋な殺気だけで向かってきたな。だから傷もそれなりだったんだろう。二度目は迷いがあったために、大した傷にはならんかったが」
「んでも、負けたら一緒じゃん」
ぼそ、と呟く深成に、まぁな、と答え、真砂は羽織っていた単を、一度、ばさ、と広げた。
体温と火の熱で、ほぼ乾いている。
きちんと着直すと、置いてあった着物を着る。
「でも、お陰で助かった。ありがとう」
ぺこりと深成がお辞儀する。
何となく居心地の悪さを感じ、真砂は視線を逸らせた。
「俺の行動も謎だが、お前の行動も謎だぜ」
話を逸らすように言う。
「そりゃ、あのときお前は酷い目に遭っただろうが、それこそ今朝なんて、仕返しするには絶好の機会じゃないか。何故攻撃しなかったんだ?」
「……」
「先にも言ったが、お前が本気で向かってきたら、俺だってただじゃ済まないぜ。現にお前は、二度も俺に傷をつけている。一度目は、結構な傷だったぜ」
そう言って、腕をまくる。
ほとんどわからないが、そこには良く見ると、うっすらと一本の傷跡が残っていた。
「一度目は、純粋な殺気だけで向かってきたな。だから傷もそれなりだったんだろう。二度目は迷いがあったために、大した傷にはならんかったが」
「んでも、負けたら一緒じゃん」
ぼそ、と呟く深成に、まぁな、と答え、真砂は羽織っていた単を、一度、ばさ、と広げた。
体温と火の熱で、ほぼ乾いている。
きちんと着直すと、置いてあった着物を着る。