夜香花
「そういえば、早く出ないと危ないな。室の死体を始末するためだとしたら、爆薬は、ここに沢山仕掛けてある可能性がある」
「おっと、そういえばそうだな」
最早興味を失ったように、清五郎は足元に室を投げ飛ばした。
千代が、さっと真砂に駆け寄る。
「真砂様。わたくし、ちゃんとお役に立ちましたでしょ? ご褒美をおねだりしても、よろしいですわよね」
「ああ。褒美が欲しけりゃ、あとはここから抜け出すことだ」
腕に取り付く千代を払い、真砂は回廊から庭に降りた。
煙の充満する敷地内を見回し、状況を見る。
「まだでかい爆発は起きてないようだな。この煙に紛れて、今のうちに出たほうがいいだろう」
「真砂。矢次郎が、北の木の上に控えている」
「わかった」
矢次郎は、主に雇い主と乱破との伝達役だ。
依頼は矢次郎から伝達用の鳥を通して、真砂らの元へと届く。
仕事を終えると、真砂は矢次郎にその証明を渡す。
その証明を持って、矢次郎は雇い主の元へと赴き、報酬を受け取ってくるのだ。
「おっと、そういえばそうだな」
最早興味を失ったように、清五郎は足元に室を投げ飛ばした。
千代が、さっと真砂に駆け寄る。
「真砂様。わたくし、ちゃんとお役に立ちましたでしょ? ご褒美をおねだりしても、よろしいですわよね」
「ああ。褒美が欲しけりゃ、あとはここから抜け出すことだ」
腕に取り付く千代を払い、真砂は回廊から庭に降りた。
煙の充満する敷地内を見回し、状況を見る。
「まだでかい爆発は起きてないようだな。この煙に紛れて、今のうちに出たほうがいいだろう」
「真砂。矢次郎が、北の木の上に控えている」
「わかった」
矢次郎は、主に雇い主と乱破との伝達役だ。
依頼は矢次郎から伝達用の鳥を通して、真砂らの元へと届く。
仕事を終えると、真砂は矢次郎にその証明を渡す。
その証明を持って、矢次郎は雇い主の元へと赴き、報酬を受け取ってくるのだ。