夜香花
真砂は立ち止まり、ぐるりと周りを見渡した。
かなりの人数が攻めてきたようだが、そうは言っても領地を争う戦ではない。
公に発せられた戦でもないだろう。
攻めてきた者らの態度を見ても、大事な主家の姫君を捜している風はない。
目に付く者全てを闇に葬る勢いで、闇雲に向かってきていた。
やはり、真田の忍びを殺して、援軍になりうる情報を断ったのだ。
その上で、姫君諸共その存在を知る者全てを葬り去るつもりで攻め入ってきたのだ。
乱破の里とはいえ、ここは伊賀や甲賀と違い、小さな里だ。
包囲するにも、そう人数はいらない。
なめられていたといえばそうだが、それが幸いした。
おそらく攻め手は、五十人にも満たない。
ざっと見ただけでも、かなりの死者が見て取れた。
里に残っていた者で、半数は仕留めただろう。
真砂の視線の先で、里の男が武者と斬り結んでいた。
特に危なげなく武者を追い詰めている。
ふと真砂は、その二人から少し離れたところに佇む二人組を見た。
具足姿ではない。
だが里の者とも違う。
一人が何か手にしたものを、斬り結ぶ二人に向かって投げた。
それを追うように、もう一人が弓を構える。
はっと、真砂の目が見開かれた。
男が番えているのは、火矢だったのだ。
咄嗟に真砂は、身を伏せた。
瞬間、どぉん! という爆発が起こる。
真砂の目の前で、斬り結んでいた二人は爆発に巻き込まれた。
佇んでいた二人組の姿はない。
かなりの人数が攻めてきたようだが、そうは言っても領地を争う戦ではない。
公に発せられた戦でもないだろう。
攻めてきた者らの態度を見ても、大事な主家の姫君を捜している風はない。
目に付く者全てを闇に葬る勢いで、闇雲に向かってきていた。
やはり、真田の忍びを殺して、援軍になりうる情報を断ったのだ。
その上で、姫君諸共その存在を知る者全てを葬り去るつもりで攻め入ってきたのだ。
乱破の里とはいえ、ここは伊賀や甲賀と違い、小さな里だ。
包囲するにも、そう人数はいらない。
なめられていたといえばそうだが、それが幸いした。
おそらく攻め手は、五十人にも満たない。
ざっと見ただけでも、かなりの死者が見て取れた。
里に残っていた者で、半数は仕留めただろう。
真砂の視線の先で、里の男が武者と斬り結んでいた。
特に危なげなく武者を追い詰めている。
ふと真砂は、その二人から少し離れたところに佇む二人組を見た。
具足姿ではない。
だが里の者とも違う。
一人が何か手にしたものを、斬り結ぶ二人に向かって投げた。
それを追うように、もう一人が弓を構える。
はっと、真砂の目が見開かれた。
男が番えているのは、火矢だったのだ。
咄嗟に真砂は、身を伏せた。
瞬間、どぉん! という爆発が起こる。
真砂の目の前で、斬り結んでいた二人は爆発に巻き込まれた。
佇んでいた二人組の姿はない。