夜香花
「真砂っ」
叫び様、深成は足元に刺さっていた苦無を引き抜き、己の前に降り立った忍び目掛けて投げつけた。
その早業に驚いたようだが、忍びは何とか苦無を避ける。
だが深成も、それであっさりと仕留められるとは思っていない。
足元の苦無を放つと同時に、自分の苦無を握りしめて、相手の懐に飛び込んだ。
すぐ近くまで近づいてから、喉元目掛けて握った苦無を放つ。
深成の苦無は軽い上に、深成自身もあまり力がない。
故に、あまり遠くから投げても、深く刺さらないのだ。
十分近づいてから放たれた苦無は、狙い通り、忍びの喉に深々と突き刺さった。
そのまま深成は忍びを突き飛ばし、前に駆ける。
小さい小娘でしかない深成には、先の一人しか来なかったようで、あとはもっぱら真砂に群がっている。
その何人かは、すでに足元に倒れていた。
容赦なく刀を振るう真砂から少し離れたところにいた一人が、不意に腕を上げた。
それを見た深成は、足の痛さも忘れて群れに突っ込んでいった。
弾丸のように飛び込んできた小さな子供に度肝を抜かれている忍びの横をすり抜ける。
忍びの一人と斬り結んでいる真砂に、横から思いきり突っ込んだ。
同時に、凄まじい爆発が起こる。
「……つぅ……」
深成のすぐ横で、真砂が呻きながら身体を起こした。
辺りは黒い爆煙に包まれている。
先の爆発よりも、随分大きい。
真砂を取り巻いていた四、五人は、全て爆発に巻き込まれたらしい。
辺りに濃厚な血の臭いが立ち込めている。
叫び様、深成は足元に刺さっていた苦無を引き抜き、己の前に降り立った忍び目掛けて投げつけた。
その早業に驚いたようだが、忍びは何とか苦無を避ける。
だが深成も、それであっさりと仕留められるとは思っていない。
足元の苦無を放つと同時に、自分の苦無を握りしめて、相手の懐に飛び込んだ。
すぐ近くまで近づいてから、喉元目掛けて握った苦無を放つ。
深成の苦無は軽い上に、深成自身もあまり力がない。
故に、あまり遠くから投げても、深く刺さらないのだ。
十分近づいてから放たれた苦無は、狙い通り、忍びの喉に深々と突き刺さった。
そのまま深成は忍びを突き飛ばし、前に駆ける。
小さい小娘でしかない深成には、先の一人しか来なかったようで、あとはもっぱら真砂に群がっている。
その何人かは、すでに足元に倒れていた。
容赦なく刀を振るう真砂から少し離れたところにいた一人が、不意に腕を上げた。
それを見た深成は、足の痛さも忘れて群れに突っ込んでいった。
弾丸のように飛び込んできた小さな子供に度肝を抜かれている忍びの横をすり抜ける。
忍びの一人と斬り結んでいる真砂に、横から思いきり突っ込んだ。
同時に、凄まじい爆発が起こる。
「……つぅ……」
深成のすぐ横で、真砂が呻きながら身体を起こした。
辺りは黒い爆煙に包まれている。
先の爆発よりも、随分大きい。
真砂を取り巻いていた四、五人は、全て爆発に巻き込まれたらしい。
辺りに濃厚な血の臭いが立ち込めている。