夜香花
「羽月はこの前、捕まっちまって悔しい思いをしています。今度こそ、きっと頭領の役に立ちます」
熱く語る捨吉の横に控える羽月に、真砂は冷めた目を向けた。
「そういえば、一匹とっ捕まったんだったな」
真砂の低い声に、びく、と羽月の肩が震える。
「すっすみません! おいら、ドジ踏んじまって」
がばっとその場に平伏する羽月を跨ぐ勢いで、真砂は歩き出した。
捨吉が、慌てて真砂を呼び止める。
「とっ頭領! 俺、頭領のためなら、どんなことだってします!」
まとわりつく捨吉に渋い顔をし、一つ息をつくと、真砂はやっと足を止めた。
そして、二人を振り返る。
捨吉と羽月は、その場にささっと片膝を付いた。
期待の籠もった目で、真砂を見上げる。
「なら、細川の殿様が滅ぼした、赤目系統の忍び一党を調べろ。その残党が、あの室に引き取られたはずだ」
「はいっ」
元気良く答え、捨吉と羽月は、あっという間に姿を消した。
熱く語る捨吉の横に控える羽月に、真砂は冷めた目を向けた。
「そういえば、一匹とっ捕まったんだったな」
真砂の低い声に、びく、と羽月の肩が震える。
「すっすみません! おいら、ドジ踏んじまって」
がばっとその場に平伏する羽月を跨ぐ勢いで、真砂は歩き出した。
捨吉が、慌てて真砂を呼び止める。
「とっ頭領! 俺、頭領のためなら、どんなことだってします!」
まとわりつく捨吉に渋い顔をし、一つ息をつくと、真砂はやっと足を止めた。
そして、二人を振り返る。
捨吉と羽月は、その場にささっと片膝を付いた。
期待の籠もった目で、真砂を見上げる。
「なら、細川の殿様が滅ぼした、赤目系統の忍び一党を調べろ。その残党が、あの室に引き取られたはずだ」
「はいっ」
元気良く答え、捨吉と羽月は、あっという間に姿を消した。