たまごのような恋 殻を割ったそのとき
たまごのような恋
 放課後、誰もいない教室で私は窓の外を見ていた。昨日まで晴れていた空が今は激しい雨が降っている。窓から下を覗き込むと、傘を差している者がほとんどだが、中には必死に走って帰る者もいた。やむ気配を見せない雨はきっと明日も今日と同じくらい降り続けるだろう。
 ふと、時計を見てみると、五時をさしていた。部活に入っていない私は放課後図書室で本を読んだり、勉強したりしていた。そのあとはまっすぐにうちには帰らず、ブラブラと寄り道をする。といっても、ほとんど本屋だけどね。
 私の名前は水瀬琴音(みなせことね)です。趣味は読書なので学校や家で好きな本を読んでいます。特に恋愛小説を読むのが好き。家に帰るので鞄に教科書やノートがきちんと入っているかを確認し、電気を消して教室を出た。階段をゆっくりと下りていき、玄関で靴を履き替えて傘を持って、外に出た。すべての音をかき消していくかのように雨はさらに激しくなった。今日は寄り道をしないでまっすぐ帰ろう。そう思い,早歩きをした。コンビニやレストランなどを通り過ぎて、そして、本屋さんを通り過ぎてようやく家に着いた。家の前で鞄の奥に入れてある鍵を取ろうとしていたら、ドアが開いた。
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