たまごのような恋 殻を割ったそのとき
 いつにするかは決めていない。気まぐれに来ているから。

「お兄ちゃんのバイトがない日とか」

 曖昧な返事をしたなと思った。

「じゃあ、そのときに俺も来ればいいのか・・・・・・」

 一人で納得をしていた。
 そんなに私の料理が食べたいのかな。料理にはかなりの自信がありますっていうわけでもないのに。
 そう思っていたが、今のうちにたくさん練習をすればいいかと思い直した。両手を握りこぶしにしていると、視線を感じた。

「そんなに気合を入れてくれると、嬉しくなるな」
「美味しいものを作るから覚悟しておいてね」
「了解」
「よろしくな」
「なんだ、すぐに仲良くなっているな。お前ら」
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