鬼上司のとろ甘な溺愛


「……」


優斗に連絡しようかと思ったが、何となくやめた。
連絡したら、また「忙しい」って言われるかもしれない。

いつからそんなに忙しくなったんだろうね。

最近、優斗に電話しても「忙しい」「明日早い」といそいそと切られることが増えた。
メールの返信も、昔より遅い。
デートの回数も減った。
キスですら、いつからしていないのだろう。

考え始めて頭を振る。最悪の結末がよぎるがどうしてもそれは考えたくなかった。
六年も付き合っている。そろそろ結婚だって意識していた。
倦怠期かもしれないと無理やり不安の気持ちを押し込む。

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