お前と月と。
「あの!ここに、夢琉架綾って人、いますか?!」
看護婦さんは、驚いた口調で、
「す、少し待ってて??」
…と言った。
…三十分ほどしたら、笑顔で帰って来る。
「佐川病院の、三○ニ号室にいますよ!」
にっこりしていた。
「ありがとう…ありがとうございました!!」
そう言うと、俺は走って"佐川病院"に向かった。
「っの!!」
途中で自転車に乗る。
結局ついたのは、二十分してからだった。
「はい?」
凄く優しそうな、看護婦さんだった。
「あ、さっきの電話の子ね?夢琉さんは、三○ニ号室にいるわよ!」
親切に教えてくれた。
俺は、何回も、何回も、ありがとう…そう言った。