お前と月と。
架綾は冷ややかな顔をし、俺を見る。
涙を浮かべて、俺を見る。
…何がなんだか、分からない…
「かあ…や?」
恐る恐る呼んだ名前。
「きら…ぃ?嫌いになった?」
涙は、頬を伝い、首筋を流れる。
「違うよ?…ほら、目を閉じて?」
架綾は目を閉じる。美しい…涙を流しながら。
その間に俺は、
左手の薬指に、
指輪を填めた。
「いいよ?」
…そっと目を開ける、架綾。
「こ…れ……!」
「ほら…やっぱり、ちゃんとしたプロポーズしないとね?」
照れくさくて、
恥ずかしくて。
それでも、架綾が喜んでくれたら嬉しくて。
「心から愛しています。…結婚して下さい…」
お互い、顔は真っ赤で…。