お前と月と。
―愛し合う幸せ―
「は…ぃ……はい!」
架綾と俺は、見つめ合って、笑う。
「幸せって、こう言うことだね?」
そう言いながら、クスッと笑う架綾が、
どうにも愛しい。
「月…見てる?」
架綾の故郷。
そして、心を癒してくれる景色。
いつも変わる形。
そんな、小さなことでも時間を感じる…
「見てるよ?月。だって、私の家だから。」
もしかしたら…
架綾が月みたいだから、愛したのかもしれない。
架綾が…―――――。
「そうだな…」
夕方の月…
"ソレ"は、酷く朱く、
酷く美しかった…――。
「一生、ともにしような?」
「うん…っ」
一生を誓う。
今、この月の下で、
俺らは、
永遠を…――――。
―end―