お前と月と。
そして…
時間は、確実に
素早く過ぎて行く。
* * *
「早いね…、大也。」
そう言ったのは、待望んでいた架綾。
薄暗い空に、小さく月が見えた。
…今日は、満月だった。
「何か、浮かない顔だね?」
俺は、架綾に問いた。
「う、ううん。何でも無いよ!」
無理に笑っていた架綾に、心臓が脈打つ。
ドクン、ドクン。
この胸の高鳴りを、
この切ない気持ちを、
俺は、知っている気がした。
これが恋だと、俺は気付いたのだ。
…彼女に、惹かれたのだ…